Trapeziumの挑戦 〜 AppJamming Summit 2019参戦レポ

香港発アプリ開発コンテストが日本上陸!!

2014年に香港でスタートした、アジアの子どもたちを対象としたアプリ開発コンテスト「AppJamming Summit」。昨年は15カ国、100校以上の学校から応募があった、アジアを代表するプログラミングコンテストです!
2019年から、Tech Kids Schoolさんが日本大会の事務局を担い、日本大会が実現しました。Tech Kidsさん、素敵な機会をありがとうございます!

AppJamming Summit 2019
https://appjammingsummit.org/

Tech Kids School
https://techkidsschool.jp/event/appjamming-summit/

昨年のPV(公式サイトより)

Trapezium(トラペジウム)結成

いつもその好奇心の強さと、魅力的なキャラクターで宜野湾道場を盛り上げてくれているメンバーが、通っている学校のオフィシャルチームとしてこの大会にエントリーしました。チーム名は「Trapezium(トラペジウム)」!!

英語必須なこの大会ですが、普段から英語に慣れ親しんでいるTrapeziumのメンバーにとっては逆に強みを発揮するチャンス。

ちなみに、チーム名である「Trapezium」は、オリオン星座のオリオン大星雲の中にある四重星に由来していて、4人のメンバーをこのひとつひとつの星に例えたもの。もちろん子どもたちのアイデア。本当に星のようにキラキラと輝いている4人にピッタリな、とても素敵な名称です。


世界の遊びがコンセプト

1月から本格的に取り組みはじめ、作品提出期限まで3週間弱という、シビアなチャレンジ。しかも作品は「AppInventor」という、MITが開発したAndoridアプリを開発するツールを使用することが条件。アプリのコンセプトづくりから、はじめてのツール習得、開発、プレゼンテーション資料の作成まで、なかなかタフなプロジェクトでした。

[日程]
1月中旬よりスタート
2/6:申込み期限
2/14:作品とプレゼンテーション資料提出
2/21:日本代表決定戦進出者発表
3/3:日本代表決定戦(Semi-Final)東京・オンライン参加
3/17:決勝大会(香港)

メンバーは放課後や週末に集まって、作品作りからプレゼンテーション練習に取り組み。学校も全面協力で、遅くまで施設を開放してくれました。


この大会で作るアプリのテーマは「Culture(文化)」。大人でも考え込んでしまうような、難しいお題です。まずは2週間ほど時間をかけて、テーマに沿ったアプリのアイデア、コンセプトにメンバーは悩みます。

食に関することや、国の生活習慣に関すること、Sign、標識に関すること、メンバーはそれぞれ図書館やインターネットを駆使し、様々な情報を収集し、アイデアを発散させました。

そして最終的に選んだのは「世界の遊び」。

世界の伝統的な遊びをデータベース化して、遊びを知ることで文化の違いも知る、というコンセプト。また、国によってルールが異なる「じゃんけん」をアプリ上で楽しむゲーム機能も搭載しました。

世界の伝統的な遊びを再現した写真も撮影。

イラストは全てメンバーの手描き。可愛らしい、雰囲気あるビジュアルになりました。

代表決定戦(Semi-Final)進出!!

2月21日一次審査結果が通知される日、Trapeziumに日本代表決定戦(Semi-Final)進出のお知らせが!!
全国50を超える応募の中から、みごと代表決定戦進出12チームに選出されました!

日本代表決定戦進出決定のメール

それから本番の3/3(日)までの10日間、香港行きを夢見みながらのプレゼンテーション練習を繰り返す日々。ケンカも日常茶飯事でしたが、様々なことを乗り越えて、本番当日を迎えました。

ハイレベルな日本代表決定戦

本番プレゼンテーション会場は東京。Trapeziumはオンラインでの参加です。オンラインは他にも沖縄から1チーム、ロンドンから1名(2名チームで1名だけオンライン参加)。
ロンドンからも参加なんてグローバルだな、と応援団保護者間で話していましたが、後にその参加者に驚くことになります・・・。

Cultureをテーマに、一体どんな子たちが、どんなアプリを作ったのか。初開催で情報も少なく、わからないことだらけの状態で、経験の浅いメンバーは少し緊張も見え隠れ。でも、学校の仲間たちが応援にかけつけ、いつもの賑やかさが戻ると、リラックスした雰囲気になり、普段に近い状態で開会を迎えることができました。

しかし大会がはじまり、順番を決める抽選で出場者の名前が読み上げられると、どこかで聞いたことのある名前が。
なんと、2017年未踏ジュニアクリエイターの菅野楓さんがエントリーしていました!

2017年未踏ジュニア スーパークリエイター認定の菅野楓さん

今回小学校6年生の妹と二人チームでエントリー。楓さんはオンライン、妹さんが東京でプレゼンテーションするという形での参戦。そう、ロンドンからオンライン参加していたのは菅野楓さんだったのです!!

CoderDojo Ginowanでは度々、未踏ジュニアの子たちの作品を紹介や鑑賞していて、菅野楓さんの作品は昨年採択された三橋優希さんと並んで印象深いものです。まさか彼女の作品を生で見ることができるとは!
と、嬉しい反面、
「え?スーパークリエイターと同じ土俵で審査されるってこと?」
香港が急に遠い地になってきました・・・^^;

結果、やはり菅野楓さんの技術力と妹さんのプレゼンテーションは素晴らしいのひとこと。誰もが納得する圧巻の優勝でした。香港大会のFinalがこれからあるので、アプリの詳細に関する記述は避けますが、コンセプト、テクノロジー、ビジュアル、とてもバランスよくデザインされ、公開されたら使いたいな、と思うクオリティ。想定ユーザの課題やニーズを明確に定義し、その解決策をテクノロジーで提示するという、さすがスーパークリエイターとうなってしまう作品でした。

Trapeziumのがんばり

優勝した楓さん以外も素敵な作品ばかりで、初参戦のメンバーにとっては、全体的にハイレベルなプログラミングコンテストでした。

おそらく12チーム中最年少だったのでは、と思われる我らがTrapezium。でも、自信有りげで、かっこいいネイティブEnglishでのプレゼンテーションは見事でした。
残念だったのは、オンライン参加チームは資料を画面共有で表示する関係で、プレゼン中メンバーの姿が東京会場には見えないということ。小さなメンバーがアメリカン直伝のジェスチャを混じえる、カッコ可愛いプレゼンテーションを、全国の皆さんにぜひ見てほしいところでした。

実質的には1ヶ月も無かった今回のチャレンジ。はじめてチームを組み、試行錯誤するプロセスで様々なことを学びながら、未踏ジュニア・スーパークリエイターの空気感に触れ、ハイレベルな年上の子たちと同じ舞台で成果を披露した4名は、今は気づかなくとも、すごく貴重な経験値を得たと思います。

アイデアを出し合い、それぞれがリサーチして、時にはケンカ、そして仲直り、落ち込む仲間に気遣ったり、またぶつかりあったり。そして経験のない技術やプレゼンテーションへのチャレンジ。結果や得た知識ではなく、コンテスト参加を通して経験したプロセスや困難にこそ、多くの学びがあったと思います。これをスタートとして本当のTrapeziumのように輝きながら、無限に進化していくことを願っています。

道場では今後も、いつの日かこの島から未踏ジュニアのような子たちがたくさん飛び出していく日を夢見て、こうした経験を積む機会を積極的に応援していきたいと思います。

CREATE YOUR AWESOME FUTURE!!