ロボカップジュニア・ジャパンオープン2018参戦レポ(Part2)

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車検を無事済ませ、本番環境でのロボット調整も済ませたふたり。
なんとか試合コートを記載したシートを理解し、試合開始に間に合いました。

大会は予選5試合を行い、勝つと勝ち点3、引き分けで勝ち点1、負けると0点。
予選順位の上位8チームが決勝トーナメントへ進出するという方式です。

サッカービギナーズの試合は、前半4分、後半4分、ハーフタイムが3分。前後半でコートが入れ替わります。

ゴールの方角によって方位センサーを調整しなければならないチームは、ハーフタイムのわずか3分間で完了させなければなりません。事前にチェックリスト等を準備し、常に時間を意識するというタイムマネジメント能力も問われる内容です。

われらが「Teamひさつば」の初戦は、岡山ブロック代表「やればできるぞSKR」が対戦相手。コイントスの結果、相手チームのキックオフで対戦がはじまりました。

試合開始直後、ひさつばロボがいきなり相手の隙をついて初ゴールを達成!!

さらに、相手ロボットのコードが対戦相手のロボットに絡まったということで妨害行為と見なされ「故障」宣告を受けるという、ひさつばにとっては幸運なハプニング。
「故障」宣告を受けるとコートがらロボットを退場させ、最低20秒間は試合に参加できなくなります。もちろんその間は1台のロボットで闘う必要があるので、相手は有利になります。また、20秒の計測は配布されているストップウォッチで自ら測った上で自己申告する必要があり、混乱した子は泣き出したり、時間を測り忘れたりしてしまいます。

しかしその後、Teamひさつばも同様にタイヤが取れ故障宣告を受け、1台で闘う事態となってしまいました。情勢は一進一退。そんな中相手の隙をついてひさつばロボが2点目を押し込みました。

と、喜んだのもつかの間。その直後にオウンゴール(笑)

そうした攻防が繰り返されるにつれ、子供たちも次第に試合に集中しはじめ、緊張もほぐれていった様子。次第に声が出たり笑顔になったりと試合を楽しむ雰囲気になっていました。

ハーフタイムにはゴールが入れ替わるので、方位センサーの調整。

この試合は後半にもう1点決めて3 – 1で快勝!! 初陣を勝利で飾ることが出来ました!!

しかし、これがこの大会最初で最後の勝利でしたが^^;

その後、マシンのトラブルや厳しい審判のジャッジに動揺してしまった第2ラウンド。強豪ひしめく関西ブロック代表の「桐蔭のこころ」チームに0 – 5で完敗。

ラウンド3は、先の大敗ショックから立ち直れないまま、自分たちのペースを掴めず、石川ブロック代表の「IKWジュニア」に2-3で惜敗。初日は1勝2敗に終わりました。


宿までの帰路で、試合開始前とハーフタイムでの方位センサーの調整の段取りや、試合中に外れていた部品の強化など今日の問題点を確認。連敗したショックか少し落ち込み気味のふたりでしたが、なんとか気持ちを切り替えるべく早めの就寝で次の2戦へ備えます。


そして最終日。

予選残り2試合と上位8チームによる決勝トーナメント戦が行われます。


Teamひさつばは、前日までの順位が32チーム中26位。第4ラウンドでは25位の東北ブロック代表「そう」と対戦。気持ちをなんとか立て直した2人は、1-2と負けていたものの、試合終了間際に同点ゴールを決め、引き分けで勝ち点1を拾います。

予選最後の第5ラウンドでは、岐阜ブロック代表の「Stripes」と対戦。

コーナーをうまく使ってくるStripesのロボットに苦戦。前半1 – 3と引き離される展開。

さらにロボットにトラブルが発生し、ハーフタイムの調整が間に合わず、1台だけで試合をスタートするという絶対絶命のピンチに。

周りの他チームも心配そうに試合の行方を見守ります。

しかし、1台が相手の猛攻を必死に凌いでいる間に、もう1台の調整が完了。待機時間を待って試合に復帰。

するとそれを待っていたかのように、守りに回っていたロボットが、相手の隙をついてゴールへダッシュ!!

2 – 3まで追い上げました。

さらに勢いに乗ったひさつばチームロボットに相手がペースを乱され、オウンゴールで3-3の同点へ!!

そのまま引き分け、勝ち点1を獲得となりました。

最後は握手。

終わってみれば、1勝2敗2引き分けという結果に。決勝トーナメントには進めませんでしたが、2日の間に様々な経験を積んで、大きく成長した2人でした。


ちなみに優勝したのは阪神ブロック代表の「三田学園物理部 チーム「そよかぜ」」。2位の東海ブロック代表「迅速果敢」、3位となった島根ブロックの「アヴァロン」、この上位3チームの力は飛び抜けていて、所属地域やクラブの伝統、ノウハウの積み重ねを感じさせる、とてもレベルの高いロボットばかりでした。

決勝は向かって右側、赤いロボット側がチーム「そよかぜ」、左側が「迅速果敢」。最後の数秒まで勝負が分からない、そんな僅差の闘いでした。

試合終了数十秒前に、「そよかぜ」が勝ち越しのゴールを決め、そのまま優勝。

敗れた「迅速果敢」の選手は崩れ落ちます。

中学生のクラブだと思いますが、こういう子たちが凌ぎを削るエリアには、未だ見ぬレベルの高い子供たちが沢山いるのだろうと層の厚さを感じさせます。

準決勝、1点差で敗れた島根ブロックの「アヴァロン」は悔しさに泣き崩れ、応援団ももらい泣き。小学生ながらも素早いロボットで年上チームを次々と撃破し、準決勝まで駆け上がった活躍は本当に見事でした。

全国トップレベルの技術力を目の当たりにし、ハイレベルな子たちが、自ら想いのこもったロボットで闘うこの空気感に触れたふたり。きっと彼らの人生観に新しい何かを芽生えさせる、貴重な経験となったことでしょう。

大海を知った子どもたちが、どんな進化を見せてくれるか楽しみに、見守っていきたいと思います。

関係者の皆さま、お疲れ様でした。そしていろいろと支援頂いた皆さま、子どもたちのためにありがとうございました!!

ロボカップジュニア・ジャパンオープン2018参戦レポ(Part1)

 
ダイジェストムービーもご覧下さい!!(但し、長いですww)